某土曜日の早朝、BMW 760Liのキャビンに収まって、東名を目指す。ATのセレクトレバーが本来あるべきセンターコンソールに存在せず、ステアリングコラム右から生える短いレバーで変速関係を司る独特のコントロールに最初は戸惑うが、ま、オーナーになればすぐに慣れるのだろう。などと考えながら走っていると、もう東名入口である。
東名に進入するランプウェイで初めてスロットルを深く踏み込むと、445psと61.2kg-mを生み出す6リッターV12エンジンが耳障りでないボリュームで唸りをあげ、車重2.2トンを超える立派な4ドアボディを事もなげに引っ張り上げていく。BMW
V12は、イザとなれば途方もない底力を発揮するのに、通常は声高に自己主張することなく、さりとて寡黙なまま黒子に徹するでもなく、その心地好さをちょうどいい具合に味わわせてくれる。 |