YOKOHAMA

Team UKYO×YOKOHAMA LISBOA DAKAR PROJECT 2007

Team UKYO×YOKOHAMA LISBOA DAKAR PROJECT 2007

Challenge リサイクル燃料での挑戦

Message 片山右京「次世代へのメッセージ」

Route 苛酷を極めるダカール・ラリー

Result 現地からのレポート

Challenge リサイクル燃料での挑戦

photo01去る2006年12月、片山右京はヨコハマのイベント会場に姿を見せた。
「ユーロミルホー・ダカール・ラリー(通称パリダカ)2007」参戦の
意気込みを告げるためだ。片山は今回、家庭から出されるてんぷら油などの
廃油を精製したバイオディーゼル燃料(BDF)を使って走る。
このリサイクル燃料とディーゼルエンジンの使用は、クルマが排出する
二酸化炭素と硫黄酸化物の量を大幅に削減することにつながるものだ。
それは、ヨコハマが長年めざしてきた次世代モータリゼーションのあり方に通じる。
ヨコハマはその主旨に共感し、片山とともに困難を極めるこのプロジェクトへの挑戦を決めた。
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Message 片山右京「次世代へのメッセージ」

「毎年、ヒマラヤなどの山に登っていると、氷河が溶けてなくなっていくような
自然環境の激変を目の当たりにするんです。地球温暖化が世界的にも
問題となっている今、レーシングドライバーとしてモータースポーツに関わってきた
自分にできることは何かと考えた」「てんぷら油をリサイクルした燃料で
ダカール・ラリーに参戦することで、一人でも多くの人に環境保護への思いを
車を通して発信していきたいと思ったんです」あえてBDFを使うことには、
こうした思いが込められていた。それは、ヨコハマをはじめ片山とともに
走る者から次世代の人々へ伝えるメッセージでもある。

Route 苛酷を極めるダカール・ラリー

1979年から毎年、世界のさまざまなチームが挑戦してきたダカール・ラリー。
その参加者のなんと7割がリタイヤするといわれている苛酷なラリーだ。
パリダカの名で知られてはいるが、実は毎年コースとスタート地点は変わる。
今年はポルトガル、リスボンから出発し、セネガルの首都ダカールへ。
その間、モロッコ、モーリタニア、マリといった国々を通過する。
タイヤ開発チームは、ダカール・ラリーの変化に富んだコース状態に
合わせた仕様のSUV用タイヤ「ジオランダーA/T-S」を提供した。
ヨコハマは昨年8月のアジアクロスカントリーラリーでも
BDFを使った片山をサポートし、見事完走を果たしている。
用意されたのは、その経験を踏まえて新たにつくりあげたタイヤだ。
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Result 現地からのレポート

2007年1月6日、ダカール・ラリーはスタートした。42カ国のエントリーで、
500台以上の車輌が競う。SS(競技区間)は15ステージ。礫砂漠、岩盤、砂丘、サバンナと
コース状況は日々変化し、つねに新たな課題が壁となって立ちはだかる。
片山の果敢なチャレンジの経緯は、現地からのレポートで伝えたい。

  2007年1月5日
朝からフランストヨタとの合同会議が行われました。
今回TeamUKYOはフランストヨタ枠でのエントリーですので、
お互い協力体制をとっています。
ゴールまでの細かな打ち合わせを行いました。
特にTeamUKYOの車両はバイオヒューエル100%で走行するため、 燃料の供給には神経を使います。
綿密な打ち合わせが必要でした。
その後、ブリーフィングが夕方からありました。
注意事項など、十分に確認をしてスタートの最終準備です。
明日のスタートは、TeamUKYOは51番目となります。
最初の20台が2分間隔で、21台目からからは1分間隔でスタートして行きます。
TeamUKYOがスタートするのは、現地時間で10時22分(日本時間19時22分)
の予定です。


photo 2007年1月6日
10時12分(現地時間)予定よりも10分早くスタート。
一時はスタートラインに並ぶことさえ危ぶまれましたが、 皆さんの努力の甲斐あって、無事スタートが切れました。
SSでは、予想されていた通り砂地であるため、轍(ワダチ)にはまってスタックする
車両がかなりいました。
スタックした車両が点在する中、皆思うように進めず悪戦苦闘。
TeamUKYOもこの混乱の中にあって、止まっていたところへ 後続の車両が追突というアクシデントに見舞われました。
バンパー、テールレンズ、ボディーの一部が破損いたしましたが、 ゴール後に修理を行い、修復されました。
幸いマシントラブルは出ておりませんが、車両自体がまだまだ未成熟であるため、 無理ができない状況です。
明日はアシスタントカーと別行動となるため、特に慎重に進まなくてはいけません。
次に合流するナドールまでの間でのトラブルは致命傷となります。
今しばらくは、セッティングを出しつつ、試行錯誤のなか進むことになりそうです。


photo 2007年1月7日
2日目の第2ステージはポルティマオからマラガを目指します。
15kmのリエゾンの後、60km程あるSSへと入りました。
第1ステージは砂地でしたが、今度は山間部でコースも狭く、 路面も硬いため、慎重に先へと進むことになります。
ようやくセッティングも煮詰まってきたため、徐々にペースも 上がってきました。
心配されたバイオフューエル(天ぷら油)に関しても、十分に 走破できる内容に仕上がってきています。
確かに周囲の車両に比べると辛い面もありますが、燃費も予想 を下回ることも無く順調です。
また、タイヤに関しても、この2日間パンクは1度も無く、 横浜ゴム様には大変感謝しております。
他車がパンク、リム落ちに悩まされている中で、これは順位を 上げる大きなファクターとなります。
今日はマシントラブルも無く総合109位で無事に終了。
夜にはマラガからフェリーに乗り、無事ヨーロッパステージを 終了しました。


photo 2007年1月8日
この日はモロッコにメリラ港から上陸、ナドールを10 9番手からスタート。
207kmのリエゾンでまずアトラス山脈を越えます。
その後いよいよアフリカ初のSSが待ち構えます。
SSスタート後の複雑な山岳コースは前日の経験を生か して無事通過。
後半に入ると、コースは岩場へと変化して、行く手を阻 み始めました。
途中、ワジ(涸れ川)に落ちたものの、車体にダメージ も無く、無事にコースに復帰できました。
そして驚くべきは、今日のハードグラベルでもパンクを しなかったことです。
スタート以来まだパンク知らずです。
おかげで、コンスタントに走っていても確実に順位が上 がってきました。
19時30分頃今日のゴール地点エル・ラシディアのビ バークに総合92位で到着しました。
2日ぶりにアシスタントカーとクルーに合流して、明日 へ向けての整備作業に入りました。
今日は車両の損傷等もなく、心配されていた電装系の不 安も、大阪産業大学の学生の皆さんに調達していただい たパーツを使って、改善されました。一部使用できずに いたコンプレッサーもこれで使用可能になります。


photo 2007年1月9日
今日は92番目にエル・ラシディアをスタートして67 9Km先のワルザザットを目指します。
その内SSの405Kmはハードグラベルから、後半の 砂丘越えまで、変化にとんだエリアです。
今回のパリダカで、最初の山場になると思います。
つま りここを越えられれば、一気にゴールが近づくとも言え るのです。
快調にリエゾンを走行してSSスタート地点に到着、 スタートを切りました。
ところがすぐにトラブルが発生しました。
リヤサスペンションの破損です。
応急処置をしたのですが、その場での完全な修理ができず、 破損したままで競技を続けることを余儀なくされました。
もちろんペースを上げることは出来ず、スロー走行でビ バークを目指すことになります。
SS後半に現れた砂丘は、サスペンションを破損した状態 でありながらも、問題なく越えることが出来ました。
心配されていたパワー不足も、特に問題はありませんでした。

22時30分、夜も深けたワルザザットに総合94位で到着。
早速修理を始めました。
思った以上にダメージは大きく、また、細かい箇所の補修 と合わせると夜を徹しての作業となります。
日々夜間の冷え込みが厳しくなる中での作業は、非常に厳 しいですが、明日のスタートまでには修理を完了させて、 無事にスターとさせなくてはなりません。
とはいえ、深夜を回っても、まだビバーク地に戻らない チームもかなりいる中、損傷したとはいえ、無事に戻れ たことは何よりです。


photo 2006年1月10日
今日はワルザザットからタンタンへ向かいます。
前日に傷めたサスペンションも、メカニックの徹夜の作 業で修理が終わり、無事にスタートすることができました。
一旦昨日のSSゴール付近まで戻り、そこから352km のSSが始まります。
快調にSSを走行していたのですが、CP2を通過したあたり で、突然電装系にトラブルが発生。
バッテリーのトラブル でした。
1時間半ほど身動きがとれずにいましたが、後続のカミオ ンに助けられ、何とか復旧させて競技に戻ることが出来ま した。
それ以外はトラブルも無く順調だったため、非常に悔やま れます。
ちなみに、ノーパンクの記録は今日も更新中です。

大きく遅れをとってしまいましたので、タンタンには深夜 に到着しました。
タンタンでは砂嵐が酷く、メカニックの作業は非常に困難 な状況です。

これで、モロッコのステージも最後となり、いよいよ本格 的な砂漠が広がるモーリタニアへと入ります。
明日は今大会で最も移動距離が長いステージです。


photo 2007年1月12日
モーリタニアに入って2日目はズエラからアタールに向か います。
これで、前半のステージが終わることになります。
SSは542kmですが、後半には難易度の高い砂丘が コース上に待ち構えています。
SS通過許容タイムが長 く設けられているとはいえ、苦戦することが予想されま した。
周囲の車両がスタックをする中、TeamUYKOは順 調に走破し、着実に順位を上げることができました。
また、途中から天候が悪化、激しい砂嵐に見舞われ、 全く視界が利かない状況になりました。
そのためSSの 途中で競技は中断となり、ターマックでアタールへと向 かいました。
今日最大の難所と言われていた砂丘エリアがキャンセル になったため、夕方にはビバークに到着できました。
総合78位でアタールに到着。これでようやく中間地点ま で来ることが出来ました。
ここまで長い道のりでしたが 大きなトラブルも無く、車両スタッフともに健在です。

明日は休息日ですが、前半戦で疲労した車両のリフレッ シュをする、忙しい1日となりそうです。


photo 2007年1月13日
今日は休息日のため、競技はありません。
リスボンから、ここアタールまで約4500kmの走行 で疲れた車両をリフレッシュするため、朝から念入りな メンテナンス作業を行いました。
明日からの後半戦を乗り切り、ダカールを目指すために、 万全のコンディションに仕上げたいところです。
今回の参戦は時間的に厳しく、テスト走行をする余裕す らない中でスタートをしました。
そのため、日々セッティングと補修をしながらここまで 来たのですが、ようやく腰をすえて全体のバランスをと ることができます。

KYB様にはアタールまでお越しいただき、サポートい ただきまして大変助かりました。
短い時間の中でアブソー バーのオーバーホールまでして頂き、この調子ならダカー ルまで大丈夫でしょう、との心強いお言葉も頂きました。

バイオ燃料に関しても、この先のビバーク地に輸送が完 了していることを確認できて安心しているところです。

明日はマラソンステージとなるため、ビバークでサポー トカーのサポートを受けられません。
2日間走りきれるだけの十分な整備を深夜まで行って中間 日を終えました。


  2007年1月14日
今日からいよいよ後半戦に入ります。
アタールからティシットへ向かうコースは今大会でも最 長のSSとなっています。
この589kmのSSには岩の多いグラベルから深い砂 丘、そしてキャメルグラスの丘陵と変化にとんだステー ジとなっています。
TeamUKYOは持ち前の安定した走行で、順調に前 へ進んでいます。
昨日1日かけて整備をしたおかげで、 マシンのセッティングが取れ、全てがバランスよく機能 しています。
車両の完成度はここに来て急激に熟成された感じです。
途中の砂丘では、スタックしたものの、スムーズに自力 で脱出もできました。
改めて走破性能の高さを実感でき たのでした。
後半に入ると、昨日の休息日に見つかったクラックを補 強した箇所に再びダメージを受けてしまいました。
今日はマラソンステージなので、ビバークのティシット ではサポートカーとは合流できませんので、整備なしで 明日一杯走りきるためにも無理は出来ません。
とはいえ、堅実な走りをして68位でティシットに到着 しました。
いつもと違って、競技車両だけのビバークは寂しい雰囲 気が漂っています。


photo 2007年1月15日
昨日に引き続き、マラソンステージです。
ティシットからネマへの494kmのSSとなります。
昨日のような深い砂丘もなく、全体的に硬いグラベル となりました。
おかげで、酷い埃に悩まされることにな りました。

ここに来て、日中の暑さもこれまで以上となり、人にも 車にも厳しい状況になっています。
とはいえ、灼熱の砂漠でも、バイオ燃料「C−Fuel」 は全く問題なく、車をグングン前に進めてくれます。
また、周囲がパンクに悩まされる中、TeamUKYO は横浜ゴムのタイヤとKYBのアブソーバーに支え られて、着実に前に進んでいます。
全てが完璧に機能しているおかげで、無駄の無い安定し た走りが出来ます。

夜にはサポートスタッフの待つネマに65位で無事に到 着しました。
2日間走り続けた車両の疲労を癒すため早速メンテナン ス作業に取り掛かりました。

明日のネマ→ネマのステージを乗り切れば、一気にダ カールが近づきます。


photo 2007年1月16日
今日はネマを出発して再びネマに戻るコースになってい ます。
当初、マリに入りトンブクトゥでビバークしてか らネマに戻るルート設定でしたが、マリ国内の治安問題 から急遽マリには入らずネマ→ネマのループにルート変 更になりました。

最大の山場も終わりに近づき、いよいよ車両の疲労もピー クに達しています。
ここで無理をすることは出来ませんので、マイペースで 走り続けました。
おかげで、トラブルも無く無事にネマに戻ることができ ました。
残念ながら順位は停滞しておりますが、これでいよいよ ダカールが近づきました。

明日はリエゾンのみの移動日となります。


photo 2007年1月17日
昨日のコース変更の影響で、今日はリエゾンのみの移動日となりました。
ネマから280km離れたアヨウン・エル・アトラスまで、ターマックを走ります。
昼過ぎにスタートして、他の競技車両と隊列となっての移動です。

この地域は砂が非常に細かく、風が吹くと天気が良くても曇りのような景色になります。
今日はリエゾンだけなので良いのですが、SSでは前方の車両が巻き上げた砂塵で
視界を奪われ、非常に厄介です。

夕方にはアヨウン・エル・アトラスに無事に到着して、明日のスタートに向けた
準備に入りました。
日中の暑さとともに、朝晩の冷え込みも相変わらずでクルーには堪えますが、
残り4日を無事に走りきるために、入念な整備を行います。

残すところ1600km。
いよいよダカールは目の前に迫ってきました。

  2007年1月18日
今日はモーリタニアを抜けて、マリに入ります。
昨日で砂漠のステージも終わり、今日からはサバンナの 中を抜けて行きます。
徐々に植物が増えていき、動物を見かけることも多くなっ てきました。
また、民家も点在し始めたため、歩行者に も注意が必要です。
スタート前の情報で、子供と動物に注意と言われていた のも納得です。

CP1の手前で、マシントラブルに見舞われました。
修理に2時間を要してしまい、大きく時間のロスをして しまいました。
しかし、無事に修理を終えて競技に復帰することが出来、 予定よりも2時間遅れ、19時にビバークに到着しまし た。
パリダカでの走行は予想以上の負担が車両に掛かってい るようで、ここ数日は、懸命な補修作業を行っています。
ラリーの厳しさを改めて感じさせられます。

ダカールまであと1100km。
バイオマス燃料100%でパリダカ参戦という世界初の 試みも、いよいよゴールが見えてきました。


photo 2007年1月19日
今日はカイエからタンバクンダへ向かいました。
マリを出て、セネガルに入りました。セネガルは最後の 通過国になります。
SSは260km程でしたが、途中何台かのマシンがリタイアをしていることからも、決して気が抜けません。

SSの途中で、車両に違和感を感じ始めました。
前に進まなくなってきたのです。それでも、何とかビバークまで辿り着き、原因の究明が始まりました。
エンジン、ミッション、デフには異常はありませんでした。
さらに細部を見ていくと、ハブベアリングの破損が見つかりました。 ベアリングの交換と共に、念のためドライブシャフトも交換しました。
細々としたトラブルを抱え満身創痍の車両ですが、スタッフの懸命な補修作業によって、 未だ健在です。もちろん 走行に支障はありません。ダカールまで走りきるポテンシャルを維持して、明日のスタートに備えます。

もうゴールは目の前です。


  2007年1月20日
ポルトガル・リスボンをスタートする時には、遥かかなたと思われたダカールに、
とうとう到着しました。 念願のダカールまでの完走。それも明日1日を乗り切れば、
達成できます。
先にダカール入りしていた、大阪産業大学のスタッフとも合流して、最後のメンテナンス
作業に入りました。

明日はダカールを出発して、16kmのSSを近郊の海岸で行います。
それを走破できれば、後はラック・ロゼに設けられているポディウム台に上るだけです。

最高の瞬間まで、あと少しです。



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2007年1月21日
1月6日にリスボンをスタートしたユーロミルホー・ダカールラリー2007も
21日の最終SSをダカール近郊の海岸で行いフィナーレを迎えました。
14日間、7915kmに及ぶ過酷なラリーをTeamUKYOは無事に完走いたしました。
バイオマス燃料100%という世界初の試みのもと、総合68位、クラス19位で
ダカールの地に辿り着けたのは、多くの方々のご協力あってのことです。
レボインターナショナル越川社長、大阪産業大学のスタッフに出迎えられ、
クルー一同満面の笑顔でポディウムに上がることが出来ました。

6日のスタート以来、安定したペースで走り徐々にポジションを上げ、後半では堅実な
走りでゴールを目指したTeamUKYOでしたが、全てが順調だった訳ではありません。
途中何度も細かいトラブルに見舞われながらも、その都度補修をして、何とか毎日の
行程を乗り越えてきました。
こうして困難とも思えたダカールまでの完走を果たせたことは、 単にバイオ燃料100%で走ったこと以上の結果が残せたと思います。
この経験を基に3カ年計画を推進できればと思います。